新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、経済活動に対して規制を行っていたシンガポール政府。
12月28日から経済活動の再開のフェーズを最終段階の第3段階に移行すると正式に発表されました。
カジノを含むIR施設も収容人数を65%まで引き上げる申請を行うことが可能となり、さらなる収益の回復が見込める形となります。
しかし、ナイトクラブ等のクラスター発生が懸念される娯楽施設は現在も閉鎖中となっており、第3段階突入後もテスト的に再開はするが経過を見ながら段階的に規制を緩和していく予定とのこと。
感染者数の減少に伴い規制緩和に踏み切る決定を行いましたが、シンガポール首相のリー・シェンロン氏は緩和による感染拡大のリスクも視野に入れており「緩和後も徹底した感染対策を」と国民に呼びかけています。
第3段階以降に伴い、収容人数の規制を緩和
第3段階移行に伴い、緩和される項目は下記となります。
店内飲食 グループ活動 |
店内飲食、私用での集まりの人数制限を5人→8人に緩和 |
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娯楽施設 | 入場制限を収容可能人数の50%→65%に引き上げ |
宗教活動 | 公演などは1グループ50人まで。最大250人が集まることを許可 |
冠婚葬祭 | 演者同士が距離を取った上での楽器の生演奏を許可 |
ライブ パフォーマンス |
屋内施設で1グループ50人まで。エリアを分けて最大250人が集まることを許可。 屋外施設での変更はなし |
15日には、シンガポール政府より「来年の1月後半から商用目的の渡航、14日以内の滞在受け入れを開始する」との発表もあり、経済復活に向けて着実に準備が進められています。
11月には中国本土からの渡航者受け入れによりマリーナベイサンズの収益が回復した実績もあるため、来年以降のシンガポールの経済活動の再開がカジノ業界に与える影響にも注目が集まります。
コロナ禍によるシンガポール経済活動の現在までの流れ
シンガポールは2020年4月に新型コロナウィルス感染防止のために4月7日~6月1日まで公共交通機関などの必須サービスを除いてIR(カジノを含む)施設を閉鎖する「サーキットブレーカー」を実施。
閉鎖期間中、国民に積極的なPCR検査を行い、感染防止のため入院・施設での隔離を行ってきました。
4月~6月中は検査件数増加に伴い、新規感染者が500人~1,000人を超える日が続きましたが、次第に100~300人へと感染人数が減少していきました。
2020年6月には医療施設や小売業・7月にはランドカジノなどを再開
6月2日からはサーキットブレイカーを終了し、3段階に分けて経済活動を再開するとして移行スケジュールを公表。
まずは第1段階として医療サービスが再開され、小児内科・歯科など専門の外来サービスが再開されました。
6月下旬には第2段階に移行し、学校・小売店や飲食店などが営業を再開。 クラスター発生の危険があるとされている、アートギャラリー・図書館・コンサートやナイトクラブ・映画館などを除き、経済の約4分の3の施設が再開されています。
協議の末、7月1日からはマリーナベイサンズ等のランドカジノも収容人数25%を上限として営業を再開しました。